「…そうかも…しれません」
「だからさ、涼夏」
また、名前を呼ばれた。
そう呼ぶのやめてくださいって言おうとしてたのに…。
「俺が教えてあげるよ。お前は可哀想で憐れで惨めないじめられっ子なんだよーって」
やっぱり頭おかしい。
なに言ってるの、この人。
わざわざ教えてくるなんて、なんて律儀な余計なお世話なの。
「可哀想なんですか、私…」
周りからはそう見えてるの?
憐れで馬鹿で惨めで汚くて、まるでバイ菌扱いの毎日。
「だってそう見て欲しいんでしょ?」
先輩は、狂ってる。
だって今わたしはあなたに軽蔑しかない。
そんなのを面白がってる先輩が嫌いで憎くて、この上なく気持ちが悪くて。
それなのにずっとずっと笑ってる高槻 周。
「泣かないねぇ。うん、やっぱりそれくらいじゃなきゃ」
泣くもんか。
悲しくない、辛くもない。
どうせわたしはこの先もこうやって蔑まれて生きていくしかないんだから。
こんなの、慣れてしまえば平気。



