「ねぇ、あんたアマネ先輩の連絡先持ってるって本当なの?」


「ここで毎日一緒に会ってたって噂もあるんだけど!!」



…そんなの今さら聞かれてもどうしようもないでしょ。


秘密のこの場所も、とうとう生徒たちにバレてしまったらしい。

現れた数人の女子生徒は2年生っぽい。



「知らないです」


「とぼけんなよ…!あんたなんかがアマネ先輩に近づいていいと思ってんの!?」



手にしたお弁当箱が蹴散らされそうになったところをギリギリのところで避けてセーフ。

しかしそんな行動を煽りと判断されてしまったらしく。

どうやらもっと火を付けてしまったようで。



「いじめられっ子が調子乗ってんじゃねーよ…!!」



大きく振りかぶった手。

ビンタというよりは、そのまま無我夢中に下ろされて頭を叩かれるほうが正しいかもしれない。


とりあえずそれで収まるならそれでいいと思った私は、覚悟を決める。



「───…!!」



…と、そんな動きがピタリと止まった。


真上に上がった女子生徒の腕がパシッと背後から掴まれていて。