でもやっぱりそれでもいいからって、ぐるぐるぐるぐる混乱。



「んん…っ、」



本当はこういうものは先輩にとっての特別な存在として、されたかった。

でもそんなの高望みすぎだ。



「ほらもう泣き止んで」


「…はい…、」


「…でもやっぱり泣いて。俺のために」



どっちなの先輩。

わたし、たくさん伝えたいことあったのに。


お弁当を一緒に食べてくれた。

お昼休みは必ずわたしのところに来てくれて、体育祭の練習を2人きりでやってくれて。

家にも上がって夕食を食べてくれて。


ありがとうって、言いたかった。



「…好き、だったよ……俺も」



それはどっちに言ってるんだろう。

もう、どちらでもいい。


今のわたしは、こんな夢のような日々が無くなってしまうことがこんなにも寂しい。




「───…バイバイ。」




先輩は笑っている。

最後に笑顔を見れてホッとしたのに。


その声は、泣いているように聞こえた。











とある先輩の、歪んだバイバイ。