今のアパートには昔から住んでいて。
だからこそ、大ちゃんはここに来てくれたんだと何となく察知。
大ちゃんとは、向かい側の一軒家に住んでいた7歳年上のお兄ちゃん。
昔はよく遊んでもらって妹のように可愛がってくれた、宇佐美 大介(うさみ だいすけ)くんだ。
「すず!お前でっかくなったなー!!」
「大ちゃんっ!」
たぶんここ数年で一番の声を出しながら、気づけば玄関に走り寄っていた。
「目線!昔とぜんぜん違うわ!お前こんなんだったってのに!」
「そ、そんなに小さくないよ」
不思議、何年も離れてたのに変わらず話せる。
それはもちろん大ちゃんの人柄がそういう人だから。
「変わらずここに住んでるって聞いて、俺もまたこの町に戻って来たんだ」
「大学…、確か学校の先生になるって、」
「あぁ、教育実習がやっと終わって。喜べすず!」
大学の教育学部に進学して、教師を目指していた大ちゃん。
この春に卒業して、短期間の実習を終えて戻ってきたらしい。
じゃあこの町の先生として働くってこと…?



