お祭りなんて何年ぶりだろう。
中学生……いや、小学生から行ってないような気がする。
いじめられるようになって、友達が居なくなって。
それから行かなくなって。
「いいじゃない!高槻くんならお母さんすっごく安心!」
「…先輩はわたしの保護者じゃないよお母さん」
それにお母さんが安心できるほど信頼できる人でもない。
お母さん、はっきり言ってあなたは騙されてる。
先輩はそこまでまっすぐじゃない。
言ってしまえば、歪みまくってるひと。
「涼夏の安全は任せてください。いざとなったらはぐれないように手繋ぎますから」
「ふふ。この子案外ぼーっとしてるところがあるから、お願いね高槻くん」
「あはは、なんとなく分かります」
ほら先輩まで乗っかった…。
喜ぶお母さん、笑う先輩。
どうやら一緒にお祭りに行くことになってしまったらしく。
「また連絡するよ。待ち合わせ場所とか後々決めよう」
先輩の連絡先は、夏休みに入る直前にスマホに登録されていて。
それはバイト関連や親族以外の、初めての登録者だった。



