「ごめんね長くなっちゃって!」
「いえ。俺、そろそろ帰ろうかなって」
「あらそう?もっとゆっくり…って、もうこんな時間なのね…!」
時計の針は9を過ぎていた。
確かに夏休みだったとしても、遅くまで居させるわけにもいかないから。
立ち上がって帰る準備をし始める先輩に、お母さんは何かを思い出したようで。
「そういえば再来週お祭りがあるんですって!高槻くんは誰かと行くの?」
「…いや、予定はないですね」
「よかったら涼夏を連れて行ってあげてくれないかしら!
この子、そういうの毎年行かないのよ~。せっかく浴衣あるのに…」
またお母さんの無理やりが出た…。
もう、たまには相手の気持ちを考えて行動してほしい。
こういうところはやっぱり似てないなって思う。
「お母さん、もう本当にいいから。わたし人混み苦手だし…」
それに毎年行かないのは友達もいないから。
確かその日バイトは……ちょうど休みだ。
「行く?お祭り。俺も浴衣着てくよ」
「え。」
「人混み苦手なら花火が見える極秘スポット、知ってるから俺」



