でも、そんな考えをしている自分も嫌。

 だからもう全部やだっ……こんなの、きっとただのわがままだけれど。

「……まったく。俺のお姫様を拐わなきゃいけないらしいなぁ」

「え?」

 ななちゃんの言葉とともに、なにか嫌な予感がして慌てて逃げようとするけれど、もうそれはどうやら遅いらしかった。