「ななちゃ——」

「ぎゃー!!七瀬様よぉ!」

「チッ」

 悲しい。

 こんな時まで、ファンの人たちがきて。

 せっかく、別れを切り出そうと思ったのに。

 ……こんなの、急すぎるかもしれないけれど、これからななちゃんがファンの人たちにキャーキャー言われているところを見て生きていける自分はいないと思う。

 だけれど、ななちゃんにアイドルをやめて欲しいわけでは決してない。

 けれど、ずっと……私だけ見てて、欲しくて……。