「だめだよお姫様。そんなに簡単に押し倒されちゃったら」

「……」

ガチャン!!!

「こらー!!!!七瀬様!!」

「っ!」

「ななちゃん!?」

 ななちゃんが震え出した。

 あれ……?いつもなら、執事さんたちなのに、どうしてメイドさんなんだろう?

 ななちゃんが、女の子は苦手ってこと、知ってるはずなのになぁ。

「くるちゃん……」

 可愛いっ……。

 慌てて抱きついてきたななちゃんを抱きしめ返して、頭を優しく撫でる。

「すみません、メイドさんたち、執事たちは?」

「……黙りなさいよ!」

「っ!」

「アンタ、七瀬様を独占してなに様!?」

「私は婚約者です、ただの」

「嘘つくんじゃないわよ!!!どうせお金でも回したんでしょ!?この最低女!!」

ガチャン!!!

「こらー!!!」

 執事がきて、落ち着いて。

 でも、胸の中でなにかが騒ぎ出した。