*side 七瀬*

 そんな、可愛く抵抗したって無理なことぐらいわかってるくせに。

「寝ちゃった……」

 昔は、もっと俺のこと、心配してくれたのに……どうして、李津ばっかり……。

「わかんないや」

 これまで、くるに届くラブレターは全て俺が回収したし、いじめが始まりそうになったら俺がソイツらを退学にさせて、時にストーカーに付き纏われたらそいつも社会的に排除して。

「な……ちゃん……めん……ね……」

「っ、もう起きたの?」

 ちょっと涙が出ていて、怯えて、可愛くて……。