「は……?どういうことだ」

なにを言っている。と言わんばかりの顔をしながらひろちゃんは焦っている。

「まぁ焦るのも仕方がないでしょう。」

「広斗クン、僕のおじい様はね」

「……」

「八神家現当主、八神貴晴って言うんだよなぁー」

「っ!?」

……八神貴晴、ななちゃんのおじいちゃんであり、“世界”トップと言われる財閥である。

いまではこの国の重大なことや企業には大体八神が関わっていると言われるほどだ。

「……まさか……」

「ふふっ、私たちの財閥の権力になんて足元にも及ばないよね」

本当、どうかしてる。


……



遡ること、数十分前。




「婚約破棄だったりして〜」

「あはは、くるちゃん、変なこと言わないでよ」


この会話には、続きがあった。



「……まぁ、くるちゃんのいうことだし、多分当たってる」

「ふふっ、だよねだよね」

「……仕方ないな」

……私たち2人は、婚約を阻まれたとしても、絶対に結婚したいが故、もしそうなった時への対処法を考えていたのだ!


我ながらうまくいってよかったなぁ。「嘘だろ……あの八神……」

「まーしゃーないよね」


……ちなみに、ななちゃんは根っからぬおじいちゃんっ子で、八神家時期当主、になっているらしい。