頭の中に、くるちゃんがいっぱいだ。

 ポーッとしてると、嫌な予感がした。

ガチャンッ

「ななちゃん〜お熱良くなった?」

「……ん?熱……?」

 俺、熱なんて出たっけ?

 気づけば部屋で寝てて、頭の中は天使やらなんやらの格好をしてるくるちゃんでいっぱいだった。

「ななちゃんさっき熱出て、赤ちゃんになってたんだよ?」

「へぇ〜」

「あ、そ、それで、りーくんが、お見舞い、きてくれたよ!」

 やはり嫌な予感とはこれか。

「やあ七瀬ー。学校ぶりー」

「……ありがとうね、李津お見舞い」

「ふふっ、全然。あ、まだ寝てていいよ」

「いや、いいよ」

 すっかり熱なんか飛んで殺気が溢れてるから。

「あ、りーくん!ケーキ、まだ余ってるのあるから、食べる?」

「あ、いいの?」

「うん!私もまだ食べきってないし、一緒に食べよう?」

「うん!」

 ふたりはそう言ってリビングへと言ってしまった。

 ……くるちゃんが、独占欲、あそこまで強くなってるって、本当かな?

 それが本当なら、俺、すっごく嬉しいけど……李津と一緒にいることは、許してあげない。