ぽすっとソファに埋もれてゴロンと横になる。

 ななちゃんは、意地悪だけど、優しいところもあるからやっぱりとっても大好きだ。

 アイドルをやめるって言ってて、少し喜んでしまった自分もいる。

 本当はななちゃんにはいつも私の横で、可愛いななちゃんの笑みは私だけに見せて欲しくて、そんな醜い独占欲を持つ自分がそんなことを思ってしまっていた。

 でも、やっぱり、カッコいい声で歌って、キラキラ輝いているななちゃんが大好きだ。

 だから、アイドルは、やめないで、欲しい……。

 と、思う、ようにしてる……。

「くるちゃーんケーキですよ〜」

 ハートマークをつけるようにそう言ったななちゃん。

「あっ、ありがとう」

 お礼を言ってにこっと微笑む。

「ふふっ、可愛い」

「……?」

 思わず首を傾げる。

「ケーキをくるちゃんの身体に溢してくるちゃんごと食べてあげたいなぁー」

「も、もう、最近ななちゃんオオカミさんみたいだよ発言が」

「ふふっ、僕はうさぎさんだったねー」

 そう言って手を頭につけて、うさぎの耳のようにするななちゃんが可愛くてつい頬が緩む。

「ななちゃんは寂しがり屋のうさぎさんかぁ〜」

 私も、きっと、寂しがり屋さんだなぁ。

「くるちゃんがいないと生きていけないの」

 そう言ってななちゃんはぎゅっと私に抱きついてくる。

「私もななちゃんがいないと生きていけないよ……」

 私はななちゃんを抱きしめ返す。

「本当……?」

「うん!」

「じゃあ、監禁してもいい?」

「いいよ」

 ななちゃんと、ずっと2人きりなら、嬉しい。

「でも、その中でななちゃんが、私を独りぼっちにして、お仕事行ったら、くるちゃんななちゃんのこと監禁しちゃうからね」

 つい、口が滑ってそんなことを言ってしまった。

「あれぇ、ななちゃんヤンデレになっちゃった?」

「やんでれ……?」

「うん」

 私が、ヤンデレなんてはずないけど……。

「……ふふっ、冗談冗談。よぉし、ケーキ食べるぞ〜!」

「うん!」

 そう言ってななちゃんは綺麗なお顔をしながらお上品にショートケーキを口へ運ぶ。

 ううっ……やっぱり、カッコ良すぎるけど、可愛いっ……。

「なーなちゃん!こっち向いて!」

 そう言いながらスマホのカメラアプリをこっそりと開く。

「んー?なぁに〜?」

 満面のにこにこの笑みでそう言ったななちゃんは、天使級に可愛く尊い。

 そしてパシャリとシャッター音が鳴り響く。

「あ、とうしゃつだめだよ〜ぉくるちゃぁーん」

「……」

 可愛いっ……。

 うう、可愛い……。可愛いよぉ……。

「ななちゃん、甘々になっちゃった?」

 いや、ちがうっ……。