「ななちゃんもケーキ食べる?」

「うーん。食べる」

 そう言いながらくるちゃんの方に行くと、案の定。

「……届かないの?」

「っ……う、んっ……」

「ふふふ、そっかぁ」

 あらかじめ高いところに置いておいてよかった。

「……」

「ん?どうしたの?」

 そんなに可愛い上目遣いとか、やばいんだけど。

「とれないっ……」

「ん?それで?」

「ななちゃん取って……」

「んー?なにか足りなぁい」

 ふふっ、くるちゃんの可愛いおねだり姿が見れそうだ。

「……カッコいい大好きな、ななちゃん、私のために、ケーキを、取ってくだしゃいっ……」

「っ〜……」

 やらせてるくせに自分まで顔が赤くなって、口元を手で覆う。

「生まれてきてよかったっ……」

「な、ななちゃん泣きそう……」

 やばい尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い。

「天使すぎる……取ってあげるね」

 そう言って冷蔵庫の1番上に入っているショートケーキを取り出す。

「あっ、私が準備するよ?」

「ふふっ、いいよ。くるちゃんはソファに座って待ってて」

 そう言いながら可愛くて仕方がないくるちゃんの頭の上に手をポンと置く。

「……ありがとう!」

 するとくるちゃんは花が咲くようにぱぁっと優しい笑みを見せてくれた。

「っ……」

 ああこうどうして、意地悪して、もっと俺に溺れさせたいと思うのに、いざくるちゃんがなにかをするとすぐに顔が赤くなってしまうのだろう。

 まぁ、仕方がないのだ。

 この天使が笑ってるだけで、幸せなんだから。