うーん。どうしよう。

 やっぱり、アイツらを炎上させて、くるちゃんにもう手を出せないようにしなくては。

 っーでもなぁ、くるちゃんが悲しむのもや……じゃない。

 むしろ、可愛いからいいかもしれない……。

ピーンポーン

「っ!!」

 瞬時に反応した俺は、急いで玄関に向かい、扉の前に傘立てを置いて開けられるのを防ぐ。

「傘立てなんかじゃいーみなーいよー」

「死ね」

「え、ヒドクナイ?」

 思わず吐いた言葉に反応する誉。

「いま、くるちゃんが寝てんだよ!!監禁するチャンスなんだから失せろ!!」

 そしてまた思わず本心を言ってしまった。

「え?くるちゃんが寝てんの?見せて見せて!!」

「……」

 チビな誉の頭をガッチリと掴んだ。

 全身の血がぶくぶく言っているような気がするし、力を入れすぎて血管が浮き出てきてしまった。

「痛い痛い!!」

「おい七瀬やめろ」

 そう言った夏弥を睨みつける。

「お前ら、帰らねぇとぶち殺すぞ」

「……ななちゃんっ……?」

「わぁ〜くるちゃん起きたの?かわいーね〜」

 後ろから毛布を持ってとぼとぼ歩いてくるくるちゃんを包み込むように抱きしめる。

「っぅっ……ななちゃんが浮気する夢見たの……」

「んー?ななちゃんの浮気相手はくるちゃんだよ〜」

「えっ……」

 あ、あれ?変な勘違いさせた……?

「くるちゃんの結婚相手はななちゃんで、ななちゃんが浮気しても、相手はくるちゃんだよ?」

「それ、つまり浮気しないの?ななちゃん変態だから浮気できないの……?」

 俺は微笑むけれど、後ろから笑い声が聞こえてくるのであとで締めることを心に決めた。

「そうだね。この世の女なんて見えてないから、天使のくるちゃんしか見えないの」

「大変だぁね」

「うん……」

「じゃあくるちゃんまた寝てくる」

「はーい、大人しく寝ててね」

 そう言ってくるちゃんがソファに寝転がったことを確認する。