それから数週間。ななちゃんにバレることなく、文化祭が始まろうとしていた。

「くるちゃん、後半は一緒に回ろうね」

「うん!」

 その約束をして、文化祭はスタートをした。

「いらっしゃいませっ……!」

「うゎ、可愛い……」

 大学生ぐらいの人だろうか……?

「うるせぇ黙れ」

 えっ……?

 聞き慣れたこの声。

「お兄ちゃん……!?」

 そう、お兄ちゃんの声だった。

「ちぇー許せよ王子」

「その呼び方やめろ」

「じゃあ番長」

「え、えっと……」

「あ、俺俺!優瀬優美!!」

 優瀬、優美……?

 うーん……。

「あ!ゆうゆうお兄ちゃんだっ……!」

「そうそう!!」