一回につき、フロントを出て外に出る。

「えっ……!なにあの人たちカッコいい!」

「あれ有栖財閥の御曹司様よ?」

「えー!?」

「あ、あの!よければ一緒にお茶——」

「すみませんやめてください」

 俺がそう言うけれど、ベタベタくっついてくる。

 はぁ……。

「ねぇお前ら耳ないの?ぶっ飛ばすよ?消えろ失せろ」

「ひっ……!?」

 香織の声にビビりきったのか、女たちは去っていった。

「ふぅ……りひ兄は弱っちぃなぁ」

「黙れちょーし乗んな腹黒」

「はーいはーい」