「ふふっ、大丈夫ですよ。私、七瀬様のマネージャーです」

「えぇ!?」

 衝撃の事実と言わんばかりの顔をしている胡桃。

「だから、伝えておきますのでご心配なく」

「ううっ、ありがとうございます!!」

 とっても安心した顔をした胡桃。

「りひきて〜」

「どうした香織」

 ゴソゴソと冷蔵庫を漁る香織。

「ゼリーない」

「はぁ……一緒に買い行くか?」

「うん」

 しゃーない。コイツお坊ちゃますぎて買い物すらできないんだから。まぁ俺もだけど……コイツ、どこ行ってもブラックカード出すから……。


「伊織、ちょっとコンビニまで香織と行ってくるから、胡桃のこと頼んだ」

「はーい」

「ふふっ、兄ちゃんと久しぶりの二人デート」

 ハートマークでもつけるかのようにそう言った香織。

「冗談でもやめろ俺は胡桃とがよかった!」

「僕だってそ〜だもん。」

「うるせぇ腹黒」

 そう言ったあとにおまけに舌打ちをする。

「ねぇ怒ってる?」

ピンポーン

 ギーッとエレベーターのドアが開く。

「怒ってない」

 横向いて香織にそう言って、エレベーターに乗り込んだ。

「絶対怒ってんじゃんー」

「俺はただ外は女がいるから嫌なんだ」

「執事に買いに行かせればよかったのに」

 チッ。

「そしたらお前が一生買い物できねぇだろ」

「ふふっ、ツンデレ」

「黙れクソガキ」

「はーい。」