「七瀬様、胡桃様に変なことなどしていませんよね?」

「してないって」

「ならいいですけど。七瀬様、こんなことは言いたくはありませんが、李津様の方が——」

「そんなことしたら、俺くるちゃんのこと閉じ込めて一生外に出さなくするから」

「っ、はい……お変わりなくって感じですね。」

「うるさい。ほら、前見ろ前」

「はいはい」




 しばらくして、学園についた。

「くるちゃん起きて」

「んぅ……ななちゃん……だぃ……しゅ……き……」

「っ、はぁ……俺もだよ、だからお〜きて」

「ふぇ?あっ……おはよ、ななちゃん」

「はぁ、やっと我に帰ったか」

「?あ、ありがとう……朝、支度とかっ……優しいななちゃん大好きだよっ……」

 恥ずかしいのか、俺の胸に顔を埋めて。

「あー……可愛いマジでやめて本当にヤバイんだって」

 車のドアを開けて、外に出る。

「胡桃」

「あ!りーくん!」

 昔の勢いなのか、朝寝ぼけてるからか、李津に思い切り抱きついた胡桃。

「ふふっ、くるは可愛いね」

「あぃがとうっ……!」

 挙句の果てにすりすりされやがってアイツ……。

「あ、りーくん今日お泊まりくる?」