だからやはり彼女はいないかもしれない。彼は光熱費を払おうとした時自分のことを「泥棒」なんて言っていたくらいだし、きっちりした人のはずだ。



「よし」



 夕食作りに取り掛かるべくエプロンに着替えるとスマホが震えた。画面を確認すると送り主は日野くんだった。



『明日って暇?』