それに、マグカップだって好きな色がなく、私の好きな色を選ぶくらいだ。彼女がいるならその子の好きな色にするだろう。 でも、彼女はいないと思うよと伝えようにも根拠は言えない根拠なわけで、口を噤んでいると美耶ちゃんの後ろから八百屋のおじさんが現れた。 「お前この間野球坊主と同じ傘で帰ってたじゃねえか」