「えっ」
「はは、五十嵐さんさっきから、えっ、ばっかりだ」
くすくす笑う日野くんに、揶揄われたのだと瞬時に理解した。戸惑ってしまったのが恥ずかしくて、私は誤魔化すために俯いた。
「ご、ごめん驚いちゃって、冗談だよね、ごめん」
「本気だけどね。五十嵐さんが家に来れば、毎日三食五十嵐さんの作ったものが食べられる……そんないいことないよ。それに俺、四月に入って……」
日野くんはどこか不安げな表情をした。何かに怯えている表情だ。苦し気に辺りを見回した彼は言葉を続けることなく視線を落とした。なんだろう、何か言いたげだった気がする。



