「ナツメ」 「?」 「あれ見てみろよ」 指さされた方をみる。 が、特になにも珍しい光景なんて――…… 「どれ?」 「ほんとスキだらけだなお前」 「っ」 ぐいっと腕を引っ張られ、ヘアゴムを奪い取られる。 ああぁああ!? 「か、かえして」 「こっちのがいい」 「……え?」 「おろしてる方が。俺好み」 一斗の好みとか聞いてない。 「肩につく髪は結ばないと校則違反になるんだよ」 先生から注意されちゃう。 「御愁傷様」