病院で車を停めた坂田は、思わぬ言葉を口にした。 「少々用がありますので。ここで失礼します」 「え?」 「もし、お嬢の面会が自分が戻るより先に終わった場合。うちの者に連絡して迎えをよこしてください」 珍しいなあ。 坂田、いつもなら自分でわたしを送迎したがるのに。 どこで何をするの? 「用って?」 「たいしたことありません。野暮用ですよ」