さっき、つらそうな表情してたじゃないですか。 なのに平気を装ってるんじゃないですか。 ほんとはすごく……痛いんでしょ? 汗、すごいもん。 ミツルさんが担架で保健室まで運ばれ、付き添う。 「ここでできるのは、応急措置だけなの。病院へ行った方がいいわ」 養護教諭の女性がミツルさんの足に氷の入った袋をあてる。 「いえ。僕、まだ競技が残っ……」 「そんな足で走る気? 無理よ」 「なんとかなりませんか」