自分で決めたことから、最後まで逃げないよ。 「仮にも僕の許嫁にヘンな虫がついたらどうするんだ」 「……むし?」 「一匹いるだろ。君の周りに」 なんの話かサッパリわからない。 夏に虫が飛び回っていることは珍しくもないでしょ。 「あなたは、わたしのことどこまで……」 「ミツルだ」 「ミツルさんは――」 「気安く呼ぶな」 えぇええ!? 「自覚を持て。君には僕という未来の旦那がいることを忘れるな」