いくらファンタジーで黒魔術が扱われる大正時代とはいえ、魔術で透視したなんて言い出すわけにもいかない。
当たり障りのない、けれど、もっともらしい理由。
「ゆ、百合子に聞いたのです。親切な方がいると……。その方の特徴が詠介さんによく似ていると思ったものですから」
「なるほど。それなら納得です」
なんとか、危機は脱したらしい。
このまま話を変えようと企んでいると、詠介が困ったようにつぶやいた。
「彼女はどうも奥手のようで、なかなか関係が進まないので、見ていてじれったいんですよね。絃乃さんもそう思いません?」
詠介が言っているのは、八尋との関係だろう。
どう見ても両思いの二人だったが、百合子はまだ自分の気持ちと向き合っている途中だったはずだ。
(え、でも……あれからだいぶ日が経っているわよね? もしかしなくとも、今もあのままの状態ってこと?)
そうなると、話は変わってくる。ルートを決めたのなら、ヒロインがすることは決まっている。意中の相手の親密度をひたすらに上げること。そして、イベントが発生したら、選択肢を間違えないこと。その二つだ。
むやみに選択肢を引き延ばすのは良策とは言いがたい。
「この前、お二人を見ていて思いましたが……両思いなのは間違いないですよね。あとは百合子が行動するだけだと思っていたのですが」
「そうなんです。ですから、絃乃さん。……百合子さんの恋の手助けをする気はありませんか?」
詠介の提案に、絃乃は耳を疑った。
当たり障りのない、けれど、もっともらしい理由。
「ゆ、百合子に聞いたのです。親切な方がいると……。その方の特徴が詠介さんによく似ていると思ったものですから」
「なるほど。それなら納得です」
なんとか、危機は脱したらしい。
このまま話を変えようと企んでいると、詠介が困ったようにつぶやいた。
「彼女はどうも奥手のようで、なかなか関係が進まないので、見ていてじれったいんですよね。絃乃さんもそう思いません?」
詠介が言っているのは、八尋との関係だろう。
どう見ても両思いの二人だったが、百合子はまだ自分の気持ちと向き合っている途中だったはずだ。
(え、でも……あれからだいぶ日が経っているわよね? もしかしなくとも、今もあのままの状態ってこと?)
そうなると、話は変わってくる。ルートを決めたのなら、ヒロインがすることは決まっている。意中の相手の親密度をひたすらに上げること。そして、イベントが発生したら、選択肢を間違えないこと。その二つだ。
むやみに選択肢を引き延ばすのは良策とは言いがたい。
「この前、お二人を見ていて思いましたが……両思いなのは間違いないですよね。あとは百合子が行動するだけだと思っていたのですが」
「そうなんです。ですから、絃乃さん。……百合子さんの恋の手助けをする気はありませんか?」
詠介の提案に、絃乃は耳を疑った。



