どうしたらいいのかわからず、ただ呆然とするだけ。


すると、聞こえもしない声が聞こえた。


「空き巣か」

「え?ぶ、部長!」


さっき解散したばかりの部長が後ろに立っていた。


「これ、お前忘れてたから」

と、渡してくる私の携帯。

どうやら私は、部長の車の中に携帯を落としていたらしい。


「あ、すみません」

「そんなことはどうだっていい。とにかく警察に連絡しろ」

「あ、はい!」


部長の指示通り、すぐ警察を呼んだ。

警察はすぐ来てくれて捜査が始まり、その間ずっと部長は傍にいてくれている。


「部長、もう大丈夫ですから!早く帰って休んでください。お疲れでしょうから」

部長なりの優しさだと思うが、気が気でない。

疲れてる部長を引き止めてるなんて、申し訳なくて。