「……ん?ど、どゆこと……?」

意味がわからなくて、首をかしげる。

「だーから、ここが僕とひゆのおうちなの」

「え、ええっ!?ま、まさかっ……」

私、誘拐されたっ……!?

思わず走って部屋を出て、色々な部屋を見回るけれど、玄関らしい場所が全くない。

そして、広すぎる部屋。

玲くんが追いかけてきている気配もなくて、まだ回ってない部屋も回る。

でも、玄関は見当たらない。

そんなことがあるのかと思いながらも、見てない最後のドアに希望を胸に手をかける。

「ふぅっ……お願いします、神様っ……」

ここを開けたら、玄関で、廊下に出れますようにっ……。

ガチャン!

「……えっ……?」

ドアを開けて見えたのは、黒と白でシンプルに統一された部屋。

でも、可愛いクマのぬいぐるみなどが並べられている。

そして、壁と天井に……。



——幼い頃から、いままでの私の写真が貼ってある。


それを見た瞬間、震えが止まらなくなって、思わずポスッと地面に尻餅をつく。

口もポカンと開いてしまって。

「……あーあ」

後ろから歩いてきたのは玲くんで。