幼い頃に、一度だけあった王子様のような子がいる。

その子は、私の——を求めて、私は助けたい一心で自分の——を“吸わせてあげた”

『ありがとうひーちゃん。絶対、僕が迎えにくるからね——』

その言葉を信じて、今日もまた学校に向かう。

 まさか——また出会えるなんて知らずに——





*この世界の仕組み*


吸血鬼、人狼、妖狐とさまざまな人種が共存しており、その中でも吸血鬼というものは恐ろしくも素晴らしくもずば抜けていた。



*吸血鬼*


血がないと生きていけないため、幼い頃より異性の食糧を持つ。
家系により能力が異なるが、玲の家、柊家は吸血鬼族の中でも最強で、相手の感情を操ったりできる。


*人狼*


人間を喰ったりはしないが、吸血鬼と同じく血を求める。吸血鬼と違うとすれば、恋人の血を吸うことにより理性を保て、人狼ではなくほぼ人間の状態にいられること。
そして、人狼は背が高いものが多い。



*妖狐*


人間に化けることもでき、歴史ある種族。限られた妖狐の中では、狐の姿になることができるものもいる。
運命的に恋人を見つけることがあり、一生その相手を溺愛する。