「く…くそっ!」


純大が慌てている。


あ…
またやりすぎたかな。


実はわりとゲーム得意だったりする。


昔はよくコタの家で一緒に遊んでいた。


コタは根っからのゲーマーだったから、私も自然と上手くなっていた。


純大はほっぺを膨らませ、
体を乗り出して、夢中で連打している。


(ちょっとかわいいな…)


その横顔を見ていたら
いつの間にか負かされていた。


「危なかったぁ~」


ちょっとハイトーンな声をあげると
またおねだりをするように私の顔を覗き込んだ。


「ね、もう一回…する?」


その表情に動揺して、コントローラーを落としてしまった。


(私ったら意識しすぎ…。)


ゴツン

拾おうと、二人で同時に体を屈め、
頭をぶつけた。


「ごめんなさいっ!」

顔をあげるとすぐ目が合って
心臓は激しく跳ね上がった。


ずるい。
なんでこんなに…。


「たっだいまーー」


それと同時に
またテンション高そうな声が玄関から聞こえた。