「……奈結、さん?」

「……?あ!執事さん!」

「神楽雄也です」

「神楽、先輩……?でいいですかっ?」

「ふふっ、じゃあ学校では敬語はなしでいいね」

「あ、はい!」

 そ、そうだよね、執事さん、18歳って、前言ってたし……!

 まさか、おんなじ学校だとは思ってなかったけどっ……!!

「クッキー、もらうね」

「あ、はい!」

 むしゃむしゃと、屋上から見える景色を眺めながらクッキーを食べている執事さ——神楽先輩。

 ……この人も、綺麗な顔だなぁ……。

「……?俺の顔になにかついてる?」

「あ、いえ!」

 あ、危ない危ないっ……!!夜毎に怒られちゃうっ……!!

「……うまいね。めちゃくちゃおいしいよ」

「本当ですか!」

「うん、めちゃくちゃおいしい」

「やったー!」

「よかったら、また作ってくれると嬉しい」

「ふふっ、じゃあ今度はカップケーキでも作りますね」

「うゎ、楽しみ、ありがとう」

「いいえっ!」

 こんなに喜んでくれると、こっちまでとても嬉しくなるっ……!!