「ふふっ、本当だ、顔真っ赤だね」

「っ……!」

 またそんな調子でっ……!!

 ドキドキしながらも、ちょっと幼い可愛い部分もある夜毎と共に、学校に向かう。



「いってらっしゃいませ」

「い、いってきます!」

「いっきます」

「あの、執事さん、ありがとうございました!!」

「いいえ、こちらこそ」

「い、いいえっ……!!」

 執事さん、私に対しては、女嫌い、平気になってくれたのかなぁ……?

 それとも、私は、女としてすら見られてなかったりしちゃって……!?

 そ、それはさすがに、ない……ことを願ってよう!

 そんなことを思いながら、今日も学校生活が始まる。



 お昼休み、屋上に呼び出された。

 そして、夜毎は夜毎のお母さんから電話がきたらしく、いまはそれに対応中だ。

「あ、あの、ぼ、僕と、付き合ってくださ——」

「ありがとうございます。でも、ごめんなさい。私には好きな人がいるので」

 ううっ……いい気がしない……。

 だからと言って、付き合うまでするなんてことはできないけれど……。

 や、やっぱりみんな誰かと勘違いしてるんじゃないかなぁ……?

 ……いつになったら、このたくさんの告白は終わるのだろうかっ……。

「……すみませんでした!!」

 いま告白してくれた男の子は、そう言って去っていってしまった。

「わ、悪いことは、なんにもしてないんだけどなぁ……」

 そんな独り言を呟く。