……昨日は、夜毎に溺れている自分を、とても自覚した。

 そして、夜毎も、私に溺れてくれているんだとっ……。

「おはようございます、奈結様」

「し、執事さんっ……!おはようございます、今日も、ありがとうございますっ……!これ、いつものお礼に、クッキーを焼いたので、よければっ……」

「っ、いいんですか?」

 !ちょっと、表情が明るくなったかな?

「じょ、女性が苦手と言っていましたけれど、それでも平気ならっ……!もらってくれると嬉しいですっ……!!」

「じゃあ、お言葉に甘えていただきますね。あとでゆっくり食べさせていただきます」

「はい!ありがとうございますっ!!」

「感謝するのはこちらです、ありがとうございます」

「いえ!とんでもな——」

「奈結」

 いつものように車の中で執事さんと話しをして待っていれば、今日はちょっと早めに夜毎が車にきた。

 昨日は、あんなことがあったけれと、仲直りができたので、一緒にクッキーを焼いた。

 夜毎は、私が喜ぶような、うさぎやくまのクッキーを作ってくれた。

 そして、それがまた上手で、また一つ、夜毎のことが知れて嬉しかった。