【side 夜毎】

 ……奈結が、否定をしてくれなかった……。

 本当は、俺なんかより凛音の方が好きなのか……?

 ……あり得るよな……アイツは、昔から色々な人に人気だったから……いつも奈結に助けられてばっかな俺は……カッコ悪いしな……。

「……奈結……」

 部屋に戻り、思わず口に出してしまった愛おしい人の名に、いまはただただ切ないばかりだった。

「……あー!!クッソ!!ゴホッ!!」

 メールがきてたというのに、奈結が部屋を出る前に、風邪な為伝えるのが遅れた。

 そもそも、風邪なんて引かなければ……。

 いや、でも、奈結が凛音を好きだったとしたら、どっちにしろ変わりはない、か……。