みんな、優しいから……?かな……?

 そんなことを思いながらも、体育館裏に呼び出されていたので、結構遠いけれど、教室に向かう。

「ちょっと、アンタいい?」

 先輩……?

「な、なんですかっ……?」

「あの地味で有名な苺谷奈結よね?」

「そ、そうなんですかっ……?」

 た、たしかに、ものすごく地味だけど……。

 そして気がつけば、数人の先輩達に囲まれてしまっていた。

「ふっ、逃げようとしても無駄よ?」

「どうして無駄なんですかっ……?」

 まだやってみてもないのに、無駄かどうかなんてわからない。