ため息をついた夜毎を、なんでかはわからないけれど、とりあえず元気を出してもらいたくて、大きな夜毎の背中をさする。

「元気、出して……?」

「っ!」

 その瞬間、綺麗な茶色い瞳をまんまるくして、夜毎は口元を腕で隠した。

「じゃあ、充電するね」

「へっ?」

 すると、腰に手を回されて、ギュッと抱きしめられる。

「いつになったら、お、終わる……?」

「えっと、1年間丸々充電したら、1秒だけ動けるようになるよ」

「ん、んなバカなっ……!!」

「まぁ、めちゃくちゃ我慢してるから、こんな感じに過ごせるんだけどね」

「そ、そっかぁ……」

 よ、夜毎、そんなに充電ギリギリでっ……。

「じゃあ、今度から、いつもよりもギュッてしようねっ」

 そう微笑んで、両手を夜毎に使って広げた。