「んぅ……」

「あ、起きたか?」

「おふぁようございます……」

「なぁ、俺達婚約者しねぇ?」

「ええっ……!?  うーん……じゃあ、考えておきます!」

「ああ」

 ……誕生日、やっぱり知らないか。
 
「あーーらーーーたぁーーーー!!!」

「っ!」

 バンッ!!!!

「っ!?」

 なにかと思えば、先ほどから実は感じてきた嫌な予感が敵中したらしく、でかいドアが思い切り壊れた。

「おひさ!」

「おひさじゃねぇ!!てめふざけんな!!ドアぶっ壊しやがって!」

「だって新が鍵かけてるからだよ〜」

「鈴、お前マジ許さねぇかんな」

「あ、あの、新様……?」

「わぁ、これが噂の結楽さんかぁ」

「え、えっと……」

「スズって知らないかなぁ?」

「す、すみません……!」

「じゃあ新城財閥御曹司、新城鈴で〜す!」

「結楽、コイツはクソぶりっ子」

「ええっ……!?」

「結楽と俺の目障りだ、消えろ」

 鍵かけた意味ねぇ……。

 せっかくの2人だけの時間だったつーのに。