占いお宿II 新たな契りを結ぶ時

「侵入者は、グリージアにも現れました。まだアルフレッド様の元へは辿り着けておりませんが。少し聞き込んだところ、明らかにマリアーナ様の容姿と思われる特徴を挙げて、住人らに聞き込んでいるようです」

しばらくして容態の落ち着いたアドルフが、報告をはじめた。

「やはり、もうグリージアにも入っていたか……で、アドルフはどうしてこんなことに?」

「相手は、ハーピーを連れています」

「ハーピーだって!?あいつらが人間に従うはずは……はっ、まさか、魔女か?魔女の仕業なのか?」

ハーピーって、確か半鳥半人の、おぞましいといわれる生き物だったはず。遠くの地に生息するって聞いたことはあったけれど、魔女なら操れるのだろうか?もしかしたら、ハーピーの力もあって、マリアーナの足取りを的確に追えているのかもしれない。それに、獣人を警戒していることも関係があるのかもしれない。

「向こうは獣人に対して良い感情を抱いていないようで、近付いて様子を窺おうとしたところ、気付かれてしまい、攻撃を受けました」


「アドルフは戦闘向きではないのに……大事かなくてよかった。ここでゆっくり休んでくれ」

アドルフが横たわるのを見届けて、私はそっとルーカスの部屋を後にした。