「大丈夫か、アドルフ」
相変わらずやることが見つけられず、部屋で休んでいると、ルーカスの大きな声が響いてきた。なにごとかと廊下に出ると、同じようにドリーもドアを開けていて、2人で顔を見合わせた。
「ルーカス、どうかしたの?」
外から声をかけると、彼も余裕がないのか〝入って〟と促してきた。
「どうかし……アドルフ!?」
ルーカスの部屋には、鳥の姿のままぐったりと横たわるアドルフがいた。
「大丈夫?なにがあったの?」
アドルフは目を閉じたままで、息はしているようだけど反応はない。
「窓から入ってきた。なんとかここまで来たって感じだが……」
なにかを運んできた様子ではないことからすると、口頭での伝達があるだのだろうか?
ドリーから渡されたタオルで、そっと拭いてやる。ルーカスは私がそうすることに内心不満そうだったけれど、グッと堪えているのが伝わってくる。
部屋を温かくして様子を見ていると、アドルフの目元がピクリと動いた。
「アドルフ!!」
「……ル、ルーカス、様……」
「大丈夫か?」
「ええ」
口調は弱々しかったものの、受け答えをするアドルフに、とりあえず大丈夫そうだと肩の力をぬいた。そこまで見届けたドリーは、自室にもどっていった。けれど、どうしても気になった私は、ルーカスが何も言わないことに甘えて、その場に留まっていた。
相変わらずやることが見つけられず、部屋で休んでいると、ルーカスの大きな声が響いてきた。なにごとかと廊下に出ると、同じようにドリーもドアを開けていて、2人で顔を見合わせた。
「ルーカス、どうかしたの?」
外から声をかけると、彼も余裕がないのか〝入って〟と促してきた。
「どうかし……アドルフ!?」
ルーカスの部屋には、鳥の姿のままぐったりと横たわるアドルフがいた。
「大丈夫?なにがあったの?」
アドルフは目を閉じたままで、息はしているようだけど反応はない。
「窓から入ってきた。なんとかここまで来たって感じだが……」
なにかを運んできた様子ではないことからすると、口頭での伝達があるだのだろうか?
ドリーから渡されたタオルで、そっと拭いてやる。ルーカスは私がそうすることに内心不満そうだったけれど、グッと堪えているのが伝わってくる。
部屋を温かくして様子を見ていると、アドルフの目元がピクリと動いた。
「アドルフ!!」
「……ル、ルーカス、様……」
「大丈夫か?」
「ええ」
口調は弱々しかったものの、受け答えをするアドルフに、とりあえず大丈夫そうだと肩の力をぬいた。そこまで見届けたドリーは、自室にもどっていった。けれど、どうしても気になった私は、ルーカスが何も言わないことに甘えて、その場に留まっていた。


