「いえ、ルーカス様。追うのは我々に任せてください。あなたは王子なんですよ。この件に関しては、陛下から指揮を取るように任されているんです。あなたは動くべきじゃない。ここで指示を出してください」

「……そうだな。だが……本来の姿にもどれないというのも、なかなか辛いんだ」

「それは……」

「もどれないだけじゃない。雨にあたれば……」

〝カエルの姿では、指示を出すことすらできん〟と悔しげに吐き出すルーカスに、どんな顔をして会えば良いのかわからず、その場を立ち去った。