占いお宿II 新たな契りを結ぶ時

驚きながらも、素直に受け取るルーカス。早くも背を向けているグノーに対して、〝いいヤツだったんだな〟と呟いた。
最初からそう言ってたのに、ルーカスはグノーのことを私に粉をかける敵認定しちゃってて、いつも突っかかってたのよね。そもそもグノーは、ルーカスの家臣であるジャレットが怪我していたところを助けたっていうのにね。

「グノーの優しさが、ルーカスに伝わったみたいね。嬉しいわ」

「それは認める。だが、ライラにとって一番優しい男は俺でありたい」

こうやって張り合うところが、子どもっぽいっていうのよ……まあ、でも……

「忙しいのに、お茶に付き合ってくれるんでしょ？ルーカスも十分に優しいわ」

「あ、あたりまえだ」

一瞬、ポカンとしたルーカスが、慌てて返す。

「ラ、ライラが俺のことを……や、優しいって……」

どうやら、妙なところが彼の琴線に触れてしまったようだ。私だって、たまにはね、正直に伝えるわよ。

「さあ、ルーカス。食べましょう」

ヨエルにマリアーナ、それからアルフレッドも不在の中、ルーカスも思うところがあるのだろう。彼の優しさや気遣いは、素直に嬉しい。