「ライラ、ヨエルは?」
仕事中は健気に振る舞っているマリアーナだったけれど、仕事を離れると途端に不安げになってしまうようだ。ヨエルの状況を見て欲しいと請われて、占うことにした。
「大丈夫。彼はずっと移動しているみたい。ということは、何も起こってないはずよ」
水晶は、ヨエルの視線を通して流れていく景色を映し出している。つまり、ヨエルは順調にシュトラスへ向かっているということだろう。焦っても仕方がないのは、私もマリアーナも十分にわかっている。今は彼を信じて、無事を祈るのみだ。
「マリアーナ、気分転換にグリージアへ行ってみないか?」
不安な日々を過ごす中、アルフレッドが気を利かせてマリアーナを連れ出すことを提案してきた。
「店の方は心配しないで。ね、ドリー」
私もアルフレッドの提案に賛成だ。
「ああ、なんとでもなるさ」
マリアーナは最後まで〝私だけ自由にしてるなんて……〟と渋っていたけれど、彼女様子がいつもと違い、常連客からも〝なにかあったの?〟と声をかけられるほどで、アルフレッドの誘いに乗ることにした。マリアーナにとっては、気分転換というよりも店に迷惑をかけなくないためにという理由だったのかもしれない。
「どこへ連れて行くの?」
「実は、ローズベリー伯爵……まあ、今は伯爵ではないが、セシリアのお父上がマリアーナを連れてきてもよいと言ってくださったんだ。自然に触れてゆっくり過ごせば、少しは気もまぎれるだろうと。その代わり、ライラの様子を教えてくれとな」
アルフレッドが父に連絡していたなんて、思ってもなかった。でも……確かに、賑やかな王都に連れて行っても、マリアーナの心は休まらないだろう。いい選択だと思う。
「元気だって伝えてね」
「ああ、もちろん」
仕事中は健気に振る舞っているマリアーナだったけれど、仕事を離れると途端に不安げになってしまうようだ。ヨエルの状況を見て欲しいと請われて、占うことにした。
「大丈夫。彼はずっと移動しているみたい。ということは、何も起こってないはずよ」
水晶は、ヨエルの視線を通して流れていく景色を映し出している。つまり、ヨエルは順調にシュトラスへ向かっているということだろう。焦っても仕方がないのは、私もマリアーナも十分にわかっている。今は彼を信じて、無事を祈るのみだ。
「マリアーナ、気分転換にグリージアへ行ってみないか?」
不安な日々を過ごす中、アルフレッドが気を利かせてマリアーナを連れ出すことを提案してきた。
「店の方は心配しないで。ね、ドリー」
私もアルフレッドの提案に賛成だ。
「ああ、なんとでもなるさ」
マリアーナは最後まで〝私だけ自由にしてるなんて……〟と渋っていたけれど、彼女様子がいつもと違い、常連客からも〝なにかあったの?〟と声をかけられるほどで、アルフレッドの誘いに乗ることにした。マリアーナにとっては、気分転換というよりも店に迷惑をかけなくないためにという理由だったのかもしれない。
「どこへ連れて行くの?」
「実は、ローズベリー伯爵……まあ、今は伯爵ではないが、セシリアのお父上がマリアーナを連れてきてもよいと言ってくださったんだ。自然に触れてゆっくり過ごせば、少しは気もまぎれるだろうと。その代わり、ライラの様子を教えてくれとな」
アルフレッドが父に連絡していたなんて、思ってもなかった。でも……確かに、賑やかな王都に連れて行っても、マリアーナの心は休まらないだろう。いい選択だと思う。
「元気だって伝えてね」
「ああ、もちろん」


