どうやら、西隣のさらに向こうの国で、見慣れない衣服を纏った騎士なのか賊なのかよくわからない人間が秘密裏に侵入し、防衛の隙をついては国内をくまなく移動して、何かをしてるのだという。特に攻撃してくるでもなく、かといって何らかの接触してくるわけでもなく、とにかく不気味な動きをしているのだという。
「なかなかすばしっこい輩のようで、捕まえるには至ってない」
〝獣人のなら匂いで追えるが、他国に入るわけにもいかず……〟と語るルーカス。とにかく、サンミリガン王国に入国される前に情報を掴んでおきたいらしい。
「なにが目的なのか、さっぱりわからん。不気味だな。国家間で情報を共有するよう、近隣国に働きかけているが、そもそも情報が少なすぎる」
今のところ、なんらかの被害はないものの、確かに放っておけない問題だ。もしかしたら、今後攻め入るための情報収集をしているのかもしれないし。
「それだけの情報で、私になにが見えるかわからないけど……とりあえず、この辺り一帯を見てみるしかないかな」
目の前の水晶を見つめる。なにを念じればいいのか……サンミリガンの未来といっても、そもそも足を踏み入れたことがない国だ。もし何かが見えたとしても、それがどこのことなのかすら判断できない。それなら、トールキャッスル近辺ならどうだろうか?国境近辺なら、私でも多少様子がわかる。
ただ、そこに変化があったとしたら、既にその不気味な輩はサンミリガンに侵入を果たし、さらにはグリージアへの侵入を試みていることになる。その事実は恐ろしいけれど、とりあえず、トールキャッスルに集中して占ってみることにした。
「なかなかすばしっこい輩のようで、捕まえるには至ってない」
〝獣人のなら匂いで追えるが、他国に入るわけにもいかず……〟と語るルーカス。とにかく、サンミリガン王国に入国される前に情報を掴んでおきたいらしい。
「なにが目的なのか、さっぱりわからん。不気味だな。国家間で情報を共有するよう、近隣国に働きかけているが、そもそも情報が少なすぎる」
今のところ、なんらかの被害はないものの、確かに放っておけない問題だ。もしかしたら、今後攻め入るための情報収集をしているのかもしれないし。
「それだけの情報で、私になにが見えるかわからないけど……とりあえず、この辺り一帯を見てみるしかないかな」
目の前の水晶を見つめる。なにを念じればいいのか……サンミリガンの未来といっても、そもそも足を踏み入れたことがない国だ。もし何かが見えたとしても、それがどこのことなのかすら判断できない。それなら、トールキャッスル近辺ならどうだろうか?国境近辺なら、私でも多少様子がわかる。
ただ、そこに変化があったとしたら、既にその不気味な輩はサンミリガンに侵入を果たし、さらにはグリージアへの侵入を試みていることになる。その事実は恐ろしいけれど、とりあえず、トールキャッスルに集中して占ってみることにした。


