占いお宿II 新たな契りを結ぶ時

全てを見終えると、思わず大きく息を吐き出していた。
今のはなんだったのだろうか?水晶が見せたということは、おそらく現実こと。もしかしたら、未来ではなくて過去のことだったのではという気がしてならない。

これは、どこの国のことなのだろうか?
見せられたものを消化しきれないまま、少し早かったけれど起き出すことにした。



「おや、ライラ。今朝はやけに早いじゃないか」

そうは言いつつ、自身はすでに動き出していたドリー。

「おはよう、ドリー。あのね、さっき水晶が私にいろいろと見せてきたんだけど……」

「そうか。それじゃあ、ルーカスとアルフレッドも巻き込んで、後で聞いてもらおうかね」

「え?」

ドリーはたまに、全てを見通したような発言をする。今もまた、私の話す内容は、ルーカスとアルフレッドも聞いた方が言いいと判断したのだろう。

「今朝は宿泊客がおらん。掃除だけしたら、ここで朝食でも食べながら聞こうかね」

確かに、2人にも聞いてもらえれば、どこの国のことなのか、少しでも情報が掴めるかもしれない。
けど……

「ドリー。ただね、見たことをどうしたらいいのかとかは、全くわからないの」

「そんなふうに考えんでもいい。ライラは、水晶に見せられた内容に気分が晴れんのだろ?それを打ち明けることで、心が軽くなるかもぐらいに思っとればいい」

「そっか……うん。ありがとう、ドリー。話すだけ話してみるわ」

宿屋に構えた2人の執務室に朝食のお誘いに行くと、2人とも二つ返事で了承してくれた。