「マリアーナ、時間がないから今すぐに決めて欲しい」
ヨエルの切羽詰まった様子に、マリアーナは思わず背筋を伸ばした。
「あなたがどこまでのことを把握しているのかは、わからない。けれどこれから話すことは、何一つ嘘偽りのない話だと信じて欲しい」
王子の護衛を務めていた頃より、ヨエルの口調はずいぶん荒々しくなっいる。けれど、マリアーナに向けられる目は誠実で、温かい。
「あなたは、間違いなくこの国の国王と、亡くなられた王妃様との間に産まれた、第一王女だ。本来、こんな所で使用人のような扱いを受けていい人じゃない」
マリアーナ自身は、どこまで自分の身の上を理解していたのだろうか?産まれて以来、城から出されて離れで暮らし、着飾ることもなかったマリアーナ。
「陛下は、自身とマリアーナの外見の……色の違いに、王妃の不義を疑った。あなたが、私と王妃の子ではないかと」
「お母様と、あなたの……?」
「そうだ。だが、そのようなことは決してなかった。そもそも、あるわけがないのだ。王妃と俺は……」
今、なんで言ったの?肝心なところが聞こえず、思わず苛立ってしまう。それぐらい、水晶が見せる物語に入り込んでいた。
「あなたは、間違いなくこの国の王女様なんだ。しかし、陛下はそれを認められないでいる。俺は、あなたがこのような扱いを受けていることが許せない。王妃がずっと守ってきたマリアーナが……」
悔しそうに顔を歪めたヨエルは、覚悟を決めたのか、真剣な眼差しでマリアーナを見据えた。
ヨエルの切羽詰まった様子に、マリアーナは思わず背筋を伸ばした。
「あなたがどこまでのことを把握しているのかは、わからない。けれどこれから話すことは、何一つ嘘偽りのない話だと信じて欲しい」
王子の護衛を務めていた頃より、ヨエルの口調はずいぶん荒々しくなっいる。けれど、マリアーナに向けられる目は誠実で、温かい。
「あなたは、間違いなくこの国の国王と、亡くなられた王妃様との間に産まれた、第一王女だ。本来、こんな所で使用人のような扱いを受けていい人じゃない」
マリアーナ自身は、どこまで自分の身の上を理解していたのだろうか?産まれて以来、城から出されて離れで暮らし、着飾ることもなかったマリアーナ。
「陛下は、自身とマリアーナの外見の……色の違いに、王妃の不義を疑った。あなたが、私と王妃の子ではないかと」
「お母様と、あなたの……?」
「そうだ。だが、そのようなことは決してなかった。そもそも、あるわけがないのだ。王妃と俺は……」
今、なんで言ったの?肝心なところが聞こえず、思わず苛立ってしまう。それぐらい、水晶が見せる物語に入り込んでいた。
「あなたは、間違いなくこの国の王女様なんだ。しかし、陛下はそれを認められないでいる。俺は、あなたがこのような扱いを受けていることが許せない。王妃がずっと守ってきたマリアーナが……」
悔しそうに顔を歪めたヨエルは、覚悟を決めたのか、真剣な眼差しでマリアーナを見据えた。


