「遠慮はいらないのよ、ヨエル。あなたにも、私の娘を抱き上げる権利があるのよ」
「ありがとう、ございます」
少しだけ震える声で返すヨエルに、王妃も乳母も笑みを浮かべて頷いている。
「はい。そっとだよ、ヨエル」
王子から赤ん坊を受け取ったヨエルは、少し恐々としているようだ。けれど、その大きいであろう手に、赤ん坊も安心したのだろう。泣き出すことはなかった。
「マリアーナ様……辺境の地より、あなたの幸せをお祈りしております」
小さく囁いたヨエルの声は、王子に届いていなかったようだ。マリアーナを優しく見つめるヨエル。次の瞬間……
「え!?」
映し出されたマリアーナの顔に、思わず声を上げていた。色白で薄桃色に色付いた頬。まるで花の蕾のような赤い唇。どこをとっても可愛らしく、王子が思わず頬を緩めていたのもよくわかる。まだ1歳にも満たないであろうけれど、マリアーナは早くも将来美しい姫になるだろうことを想像させた。
けれど……
「紫の、瞳……」
薄ら青みがかった紫のその瞳は、まるで宝石のように綺麗で、見る者を惹きつける力がある。
ただ……
ふっと、王女誕生の場面を思い出した。王妃と王子は、共にブラウン系の瞳をしていた。そして、陛下は髪も瞳も王妃らよりさらに濃い、ダークブラウンだった。
「色……この子はまるで……ヨエルに似ているわ」
自分で言って、ハッとした。
〝なぜその色なんだ!!〟
確か、陛下はそう言って王妃に詰め寄っていた。それから、王妃とヨエル間で交わされた会話。さっきは言葉通りに聞いていたけれど、注意して聞けば、少し意味深だった気もする。
もしかして、陛下はマリアーナの瞳を見て、王妃とヨエルの不貞を疑ったのかもしれない。マリアーナの瞳の色は、明らかに王妃とも陛下とも、王子とも違う。ヨエルに似ているのだ。そこだけ見たら、疑うのは必然だったと思う。
でも……王妃とヨエルの間になんらかの親密さは感じるものの、男女の仲のような雰囲気は感じられなかった。一体どういうことなのだろうか?
「ありがとう、ございます」
少しだけ震える声で返すヨエルに、王妃も乳母も笑みを浮かべて頷いている。
「はい。そっとだよ、ヨエル」
王子から赤ん坊を受け取ったヨエルは、少し恐々としているようだ。けれど、その大きいであろう手に、赤ん坊も安心したのだろう。泣き出すことはなかった。
「マリアーナ様……辺境の地より、あなたの幸せをお祈りしております」
小さく囁いたヨエルの声は、王子に届いていなかったようだ。マリアーナを優しく見つめるヨエル。次の瞬間……
「え!?」
映し出されたマリアーナの顔に、思わず声を上げていた。色白で薄桃色に色付いた頬。まるで花の蕾のような赤い唇。どこをとっても可愛らしく、王子が思わず頬を緩めていたのもよくわかる。まだ1歳にも満たないであろうけれど、マリアーナは早くも将来美しい姫になるだろうことを想像させた。
けれど……
「紫の、瞳……」
薄ら青みがかった紫のその瞳は、まるで宝石のように綺麗で、見る者を惹きつける力がある。
ただ……
ふっと、王女誕生の場面を思い出した。王妃と王子は、共にブラウン系の瞳をしていた。そして、陛下は髪も瞳も王妃らよりさらに濃い、ダークブラウンだった。
「色……この子はまるで……ヨエルに似ているわ」
自分で言って、ハッとした。
〝なぜその色なんだ!!〟
確か、陛下はそう言って王妃に詰め寄っていた。それから、王妃とヨエル間で交わされた会話。さっきは言葉通りに聞いていたけれど、注意して聞けば、少し意味深だった気もする。
もしかして、陛下はマリアーナの瞳を見て、王妃とヨエルの不貞を疑ったのかもしれない。マリアーナの瞳の色は、明らかに王妃とも陛下とも、王子とも違う。ヨエルに似ているのだ。そこだけ見たら、疑うのは必然だったと思う。
でも……王妃とヨエルの間になんらかの親密さは感じるものの、男女の仲のような雰囲気は感じられなかった。一体どういうことなのだろうか?


