「嫁に出したくなくなっちゃった?」
私の直球の言葉に、ユリウスはコクリと頷いた。
「国内の相手だとしても嫌なのに、他国の、それも海を越えた国に嫁がせるなんて、ありえないと……」
「なんだそれ」
「ルーカス!!」
番至上主義の獣人には、理解しがたいことかもしれないけれど、人間なんてそんなものだ。
「一国の王として、王女を他国に嫁がせるなんて当たり前のことだと、頭では理解しているんだ。政略結婚が当然の世の中で、恋愛結婚できる幸運も、十分にわかっている。
けれど、それ以上に、父親としての気持ちが大きすぎて……母上の晩年も後悔していた分、マリアーナを可愛がりたいと……」
「そう。それは、大変そうね」
「アホらし」
「ルーカス!!」
私の足に添えられていた彼の手を、ペチリと叩いた。
2人の結婚は大丈夫なのだろうか?先行き不透明だ。
「身分を隠して、いち早くアルフレッドの元へ向かっていたのだが……ああぁぁぁ。獣人なんて嫌だ!!」
「ど、どうしたの?」
「どういうことだ?」
驚く私と、喧嘩腰になるルーカス。加えて背後で身構える護衛達。一体、なにかあったのだろうか?
「思い出したくもない」
これでもかというぐらい盛大にため息を吐いたユリウスは、ルーカスを一切見ないまま、重い口を開いた。
私の直球の言葉に、ユリウスはコクリと頷いた。
「国内の相手だとしても嫌なのに、他国の、それも海を越えた国に嫁がせるなんて、ありえないと……」
「なんだそれ」
「ルーカス!!」
番至上主義の獣人には、理解しがたいことかもしれないけれど、人間なんてそんなものだ。
「一国の王として、王女を他国に嫁がせるなんて当たり前のことだと、頭では理解しているんだ。政略結婚が当然の世の中で、恋愛結婚できる幸運も、十分にわかっている。
けれど、それ以上に、父親としての気持ちが大きすぎて……母上の晩年も後悔していた分、マリアーナを可愛がりたいと……」
「そう。それは、大変そうね」
「アホらし」
「ルーカス!!」
私の足に添えられていた彼の手を、ペチリと叩いた。
2人の結婚は大丈夫なのだろうか?先行き不透明だ。
「身分を隠して、いち早くアルフレッドの元へ向かっていたのだが……ああぁぁぁ。獣人なんて嫌だ!!」
「ど、どうしたの?」
「どういうことだ?」
驚く私と、喧嘩腰になるルーカス。加えて背後で身構える護衛達。一体、なにかあったのだろうか?
「思い出したくもない」
これでもかというぐらい盛大にため息を吐いたユリウスは、ルーカスを一切見ないまま、重い口を開いた。


