「それで?ユリウスはどうしてここへ?アルフレッドを読んだ方がいいかしら?」
確か、アルフレッドは今夜、公務があるからってグリージアの王都にいるはず。
「いや……ああ……」
うーん。これは、よくない話なのかしら?なかなか話を切り出さないユリウスを、口を挟まず辛抱強く待った。
「……陛下が……渋るんだ」
「渋るって、なにを?」
「マリアーナが、グリージアに嫁ぐことを」
あちゃあ……これはアルフレッドには残念なことになるのかしら?
「それは困る」
「ルーカスは黙ってて」
シュンとする姿も可愛げがあるとも言えなくともない。けれど、彼が口を挟むと遠回りになりがちだ。
「王女としての地位は認められて、公にされたのよね?」
確か先日、アルフレッドが嬉しそうに話していた。
「ああ。だが……マリアーナの存在が表に出た途端、次々と縁談が持ち上がった」
「えっと……」
確かに、マリアーナは見た目が可愛い。病弱でなんて言い訳も、あの元気な姿を見れば吹き飛んだはず。そしてなにより、王女という地位がある。
「まあ、そうなるのも、わからなくもないわよね」
「……ああ。だが、全て断っているし、アルフレッドのことも、陛下にちゃんと話してあるんだ」
それでじゃあ、問題は一体どこにあるというのか?
「アルフレッドでは、納得いかないと?」
「いや。陛下は……父上は、ヨエルと私の話から、やっとマリアーナが実子であることを認めた。まあ、本当はもうずっと前からわかっていたのだろうけれど。やっと、現実と向き合えたんだ」
本当なら、マリアーナは父親に対してもっと怒ってもいいところなのだろうに、彼女は父親の謝罪をすんなり受け入れたのだという。
「父上は、これまでの時間を取りもどそうと躍起になっている。マリアーナを常に近くに置き、様々なものを買い与えた。マリアーナの中に、母上の面影を見つけるたびに喜び、また贈り物をする。さすがに、私とヨエルが止めたが……」
ああ……なんか、話が見えてきた気がする。
確か、アルフレッドは今夜、公務があるからってグリージアの王都にいるはず。
「いや……ああ……」
うーん。これは、よくない話なのかしら?なかなか話を切り出さないユリウスを、口を挟まず辛抱強く待った。
「……陛下が……渋るんだ」
「渋るって、なにを?」
「マリアーナが、グリージアに嫁ぐことを」
あちゃあ……これはアルフレッドには残念なことになるのかしら?
「それは困る」
「ルーカスは黙ってて」
シュンとする姿も可愛げがあるとも言えなくともない。けれど、彼が口を挟むと遠回りになりがちだ。
「王女としての地位は認められて、公にされたのよね?」
確か先日、アルフレッドが嬉しそうに話していた。
「ああ。だが……マリアーナの存在が表に出た途端、次々と縁談が持ち上がった」
「えっと……」
確かに、マリアーナは見た目が可愛い。病弱でなんて言い訳も、あの元気な姿を見れば吹き飛んだはず。そしてなにより、王女という地位がある。
「まあ、そうなるのも、わからなくもないわよね」
「……ああ。だが、全て断っているし、アルフレッドのことも、陛下にちゃんと話してあるんだ」
それでじゃあ、問題は一体どこにあるというのか?
「アルフレッドでは、納得いかないと?」
「いや。陛下は……父上は、ヨエルと私の話から、やっとマリアーナが実子であることを認めた。まあ、本当はもうずっと前からわかっていたのだろうけれど。やっと、現実と向き合えたんだ」
本当なら、マリアーナは父親に対してもっと怒ってもいいところなのだろうに、彼女は父親の謝罪をすんなり受け入れたのだという。
「父上は、これまでの時間を取りもどそうと躍起になっている。マリアーナを常に近くに置き、様々なものを買い与えた。マリアーナの中に、母上の面影を見つけるたびに喜び、また贈り物をする。さすがに、私とヨエルが止めたが……」
ああ……なんか、話が見えてきた気がする。


