「マリアーナに会いたい……」

ああ……違う意味で、自慢になってしまっているようだ。

「返事は途絶えてないんでしょ?」

「ああ。もう少し、時間が欲しいんだと……」

「あれ?おまえ、心変わりされてるのか?はっ!!だからって、ライラはダメだぞ。見るな、近寄るな、触るな!!わかったな!!
で、ライラ。返事は?」

騒がしい人だこと。

「まだ解決してないでしょ?2人は婚約すらしてないんだから」

「なっ……ライラ!!マリアーナのことは、ちゃんと解決しただろ?後のことなんて、俺達には関係ない!!」

「ルーカス……あなたは友人の幸せに協力できないの?そんな心の狭い人だったかしら?」

「うっ……そ、そんなことはない。2人の幸せは、俺も祈っている」

「でしょ?あっ、そうだ!!アルフレッド、あなたがシュトラスに乗り込んだらどう?」

「それはいいな!!」

「でしょ?」

と、ルーカスと盛り上がる中、アルフレッドは盛大にため息を吐いた。

「これでも一応、王太子としての仕事が……」

「そういう割に、ずっとここに入り浸っているわよね?」

ジロリと見れば、多少は決まり悪そうな顔をした。が、あくまで多少だ。

「ここの執務室で、ちゃんと仕事してるさ」

「じゃなきゃ、城へ強制連行されてるでしょうね。あっ、ルーカスもよ」

「俺は問題ない。今の俺に課されている一番の仕事は、番を城へ連れ帰ることだしな」

言った私がばかだった……藪蛇だったわ。